ゆっくりとキャラクターを動かすのは、ここ最近ブログで書いたような方法で問題なく表現できるわけですが、アクションシーンのように激しくキャラクターを動かす表現は、なかなか難しいと思います。
ドラゴンボールの構図が凄いことは有名ですよね。
コマに描かれた一つ一つの構図が連動していて、キャラクターが動いているように見えるというものです。
イメージとしてはパラパラ漫画のようなものですかね?
今日はアクションシーンの文章表現力を上げるための考察をしてみます。
よろしければ読んでいってくださいな!
一人のアクションシーン
文章中に登場するキャラクターが一人の場合から考察してみます。
草木も眠る丑三つ時。少女は一心不乱に剣を振っている。
「もっと…もっと強くなるんだっ‼」
先日の決闘を制した少女だが、剣技の差は明らかだった。日々の鍛錬によって培われた自信はへし折られ、剣の一振り一振りに雑念が混じっている。空気を斬る音が鈍い。そのことに気づき、また剣に雑念が混じる。研ぎ澄まされた一閃は影を潜め、まるで丸太を振り回しているかのように暴力的な素振りである。
「違う!腕だけで振るな!もっと足を使え!体全体で剣を振れ!」
自分に言い聞かせながら、少女は剣を振った。右手で持った剣を左の脇下に構える。右足で踏み込んで姿勢を低くし、右斜め上に振り上げる。斬り上げた遠心力を利用して跳躍し、体を捻って両手で持った剣を振り下ろす。それと同時に、少女は右方向に転がった。
「ダメだ…これだと斬り返される……」
少女には相手の像がハッキリと見えている。目の前にいないにも拘わらず、振り下ろした一撃をいなされて反撃されるイメージがおこなわれた。先日の決闘がフラッシュバックされたのだ。
う~ん。やっぱり苦手ですね><
流れるように書くことができません。
体を動かしながら、連動するように動きを書いているわけですが、どうもカクカクしている感じがします。
文章量を減らしたほうがカクカクしないと思うのですが、それだと動きの表現はなく、読者が勝手に想像するしかありません。
全てを事細かく書く必要はありませんが、殆ど書かないとなると、「勝負だ!」→「良い勝負だったな!」といったことになり兼ねません。
そうならないように書くわけです。
まぁ、難しいんですけどね。
二人のアクションシーン
二人だとまた少し異なります
「いくぞっ!」
Aは声を吐き出し、標的へと突進した。右手で持った剣を左の脇下に構え、体が死角になって見えないようにしている。相手に間合いを読ませないようにようにするためだ。
両断できる間合いに入ると同時に、Aは相手を両断する勢いで剣を振った。回避は間に合わない。防ぐことができなければ斬られ、防げたとしても力業で弾き飛ばせる。弾き飛ばしたときは、そこに追撃を加える。Aが得意としている速攻である。だが、Bは仁王立ちで悠然と待ち受ける。
「力任せの一撃など、我には通用しない!」
BはAの剣先に、素早く抜刀した剣を振り下ろした。Aの剣に加えられた下方向の力によって、Aは剣を地面に叩きつけてしまった。Aの体勢は前のめりになり、Bはすかさず剣の柄頭をAの顎を突いた。Aは「うぐぅっ」と声を上げながら吹き飛ばされ、仰向けになって倒されてしまった。
書いてみましたが、どう思いますか?
やっぱりカクカクしている気がするんですよね……
おそらく一つの動作に対する文量が多いことが原因だと思うのですが、これは身に付いたものですので修正するのは難しいです。
しかしまぁ、修正はできなくても、技を身につけることは可能だと思うので、その練習をしようかと思います。
書写をしてみる
武神は前へと突っ込んで、風を切り、右の短剣を鹿角(かづの)へと突き込んだ。
対する鹿角は腕を前へと突き出し、四本の短剣で迎撃する。
二本で武神の右の短剣を上に弾き、二本でその右腕を落としに行った。下から、武神の右腕をかいくぐる動きで己の双剣を跳ね上げる動きだ。
直後。武神が一つの判断を見せた。右の短剣が上に弾かれる直前に、具申はその短剣から手を離したのだ。
武神の短剣が弾かれ、音と共に宙を舞う。が、右腕はそのままだ。
そして武神は、
「おぉ……!」
フリーにした右手の五指を広げ、下から来る二本の刃を、
「……お‼」
刃が振り切られるより早く、自らの右手をかぶせて摑んだ。
手首部分、下腕装甲を先に当てるようにしたが、二枚の刃は腕に食い込み、鉄の手の平に半ばまで差し刺さる。
だが、封じた。強引なやり方だが、鹿角は刃を半分封じたのは確かだ。
『境界線上のホライゾンⅠ〈上〉』より
ふむ。
基本的に一行一句点ですね。
場合によっては一行に複数句点ありますね。
これを参考に、先ほど書いた文をもう一度書いてみます。
「いくぞっ!」
Aは声を吐き出し、標的へと突進した。
右手で持った剣を左の脇下に構え、体が死角になって見えないようにしている。相手に間合いを読ませないようにようにするためだ。
両断できる間合いに入ると同時に、Aは相手を両断する勢いで剣を振った。
回避は間に合わない。防ぐことができなければ斬られ、防げたとしても力業で弾き飛ばせる。
弾き飛ばしたときは、そこに追撃を加える。Aが得意としている速攻である。
だが、Bは仁王立ちで悠然と待ち受ける。
「力任せの一撃など、我には通用しない!」
BはAの剣先に、素早く抜刀した剣を振り下ろした。
Aの剣に加えられた下方向の力によって、Aは剣を地面に叩きつけてしまった。
Aの体勢は前のめりになり、Bはすかさず剣の柄頭をAの顎を突いた。
Aは「うぐぅっ」と声を上げながら吹き飛ばされ、仰向けになって倒されてしまった。
行の始まりに“A”が頻出していることが気になりますが、ちょっと良くなりましたね。
昔の小説だと改行せずに続けることが多いですが、改行したほうが読み易いですもの。
今度から意識してやってみようと思います(ゝω・)キラッ☆
図説 剣技・剣術
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GENESISシリーズ 境界線上のホライゾンI<上> (電撃文庫)
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