文章表現でキャラクターを動かすとき、何か意識していることはあるでしょうか?
私は幾つかありまして、それを知っていると知っていないとでは大違いなのです。
世の中が面白い物語で溢れて欲しいので、一気に大公開しちゃいます!
キャラクターの向き
最初から最後まで、真正面を向いているキャラクターはいないと思います。
誰かと会話するシーンであれば、向かい合っているか、同じ方向を向いていることでしょう。
「A、何をしているの?」
空には月が昇り、反射する湖は宝石のように美しい。その中央に浮かぶ小舟を眺めているAに、Bがそっと背後から近づいて声をかけた。
「びっくりさせるなよ」
「ぼーっとしてるほうが悪い。で、何をしているの?」
「あの小舟…どうしてあんな場所にあるのかなって……」
Aが右手の人差し指で、眺めていた小舟を示した。
「小舟?何もないけど………」
このシーンですと、Aが北を向いているなら、Bは西南西から東南東の間からやってきていますね。
そこまではいいのですが、Bが声をかけたのに対する返事、「びっくりさせるなよ」は、どちらを向いているかわかりません。
北を向いたまま返事をしているのは、或いは背後から近づいて声をかけたBの方向を向いたのか、読み手によって全く異なるシーンになります。
前者であるならば、Aは一時も視線を切らしたくないや、Bよりも小舟に興味があるといったように、“小舟>B”の関係性ができあがります。後者なら“小舟<B”になりますね。
AとBの関係や、Aの性格が表れるので、些細なことですが気にする必要があると思います。
私が前者として表現するならば、
「びっくりさせるなよ」
AはBを一瞥することなく、小舟を眺めながら返事をした。びっくりさせるなと言うAだが、全く驚いている素振りを見せない。
「ぼーっとしてるほうが悪い。で、何をしているの?」
といったように書きます。
後者を表現するならば、
「びっくりさせるなよ」
「ぼーっとしてるほうが悪い。で、何をしているの?」
肩越しに振り返るAの隣に座ったBが、もう一度尋ねた。
「あの小舟…どうしてあんな場所にあるのかなって……」
といったように書きます。
どこに文章を付け足すかは好みです。
私の場合、会話のテンポを優先したいときは、後付けの説明にしています。
会話だけを続ける小説があったりしますが、あれは正直どうかと思います。
演劇の台本をイメージしてください。
会話だけではありませんよね?
B「A、何をしているの?」
・Aの左斜め後方からBがやってきて、声をかける
A「びっくりさせるなよ」
・Aは湖の方を見ている
B「ぼーっとしてるほうが悪い。で、何をしているの?」
A「あの小舟…どうしてあんな場所にあるのかなって……」
こういった感じです。
台本を読んだ人が、舞台上でどのように動くかわかる必要がありますものね。
表現に困ったら、一度このように書いてみるのも良いと思います。
そこから小説の文に変化させてあげると、キャラクターの動作がよくわかります!
次回に続く
すみません
ちょっと長くなりそうなので、今日は①だけにします
物書きさんの参考になれば幸いです
一緒に面白い物語を創りましょう!
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