物語を創る上で大切といわれる「起承転結」について、再確認しようと思いました。
というのも、「転」を幾つかにわけるといったような手法がありまして、
そもそもの「起承転結」ってどんなものだったかと気になったのですよね……
それが全てではないと思うのですが、少なくとも基礎ではあると思うのです。
ということで、早速いってみましょう!!
「起承転結」とは?
元々は漢詩の絶句(4句の構成)、起句,承句,転句,結句を指しています。
そのまた元となった漢文では、「起承轉合」というものだったようです。
そこから転じて、文章の構成方法となったわけですね。
しかしながら、この方法は国際的には一般的ではありません。
この方法では論理的な文章にならないとも言われています。
論文の書き方を見てみます。
論文は「導入」「手法」「結果」「考察」で構成されます。
この構成だと論理的な文章になるわけです。
もっと単純にするならば、
「こう思うんだ!」→「だってこうなっているもの!」→「僕は正しいんだ!」
という風になります。
小学校などから教育される「起承転結」という方法だと、
「こういう状況です」→「特に何も起こりません」→「あ、何か起こりました」→「めでたしめでたし」
という風になります。
主観かもしれませんが、「承」が活きていないと思うんですよね。
この「承」で物語の大部分を占めると、空気系の物語ができあがるわけです。
もしかすると、今の日本には「起承転結」を徹底した物書きと、「承」の部分に魅了された物書きと、「起承転結」が論理的でないと違和感がある物書きに分類されるかもしれませんね。
映画の手法から学ぶ
「三幕構成」と呼ばれる手法が一般的です。
第一幕は「設定」になっています。
起承転結の「起」と同じ役割ですし、論文の「導入」とも同じようなものです。
ただし、割合は全体の25%程度を占めるので、かなり時間をとっていますね。
第二幕は「対立」になります。
この第二幕に入る前に“ターニングポイント”と呼ばれるものがあって、
これがきっかけになって何かが起こるわけです。
起承転結の「転」が近いかもしれません。
「転1」「転2」といったように分ける手法を聞いた人がいると思いますが、
終盤で二転三転すると物語がバタバタしてしまいますよね。
個人的にあまり好きではありません。
それならば映画作りのプロットを参考にして、「起転承転結」でいいと思うのです。
なぜ「承」を「転」で挟んでいるかというと、第三幕に入る前にも“ターニングポイント”があるからです。
ちなみに割合は全体の50%程度を占めます。
第三幕は「解決」になります。
割合は全体の25%程度になるわけですね。
起承転結の「結」ってかなりあっさりしていることが多いと思うんです。
物語の結末というのは実はかなり難しく、着地に成功することのほうが珍しかったりします。
なので、あっさり短く畳んでしまうわけです。
ですが、映画作りのプロットですと25%も割くわけです。
ミステリー作品はこのあたりがしっかりしていますね。
「犯人当て」をさせる作品だと、「解決編」だけ分けることもあります。
私も解決を長く書くことが苦手なので、意識してみることにします!
落語の噺から学ぶ
「マクラ」、「本題」、「落ち」が基本構造になっています。
「マクラ」は本題に入る前に、聴衆が聴きやすいようにする役割があります。
本題に出てくる用語を簡単に説明したり、本題に入る前の流れを作ったり、軽く笑かせてリラックスさせたり、その内容は様々ですが、この落語にはこのマクラといったような組み合わせはあったりします。
なので、通になると「あ、この落語だ!」と気づくわけです。
それもまた楽しみの一つですね!
ちなみに「落ち」の伏線がここにあったりもします!
「本題」はそのままですね。
起承転結だと「承転」ですかね?映画の「対立」の方が近い気がします。
ですが、落語には出演時間が決まっていて、「落ち」までいかない場合があります。
そういう性質もあって、途中で終わることになっても、纏めることができます。
投げかけるような形式ですね。
「打ち切りエンド」というものがありますが、あれも一つの終わり方だと思っています。
洋画だと「え、ここで終わり?」というのも多々ありますからね。
「オチ」ですが、古今東西様々な手法がありますが、私は落語が最高峰だと思っています。
最後まで事細かく説明することは野暮です。
もっともそれがむず痒く、「どういうこと?」って引っかかる人もいると思うんですね。
まぁ、物語が論理的であることを求めてはいけないです。笑
終わりに
今日は「起承転結」について整理してみました。
私がどういうプロットを書いていて、
それがどの分野に影響を受けているか、なんとなくわかったような気がします。
皆さんも、何かしら「なるほど!」と思うところがあったら幸いです!
では!
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