スカッとする話について~藤子不二雄Ⓐ先生、ご冥福をお祈り申し上げます~

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 昔からあるジャンルですが、今日は“スカッとする話”について書いてみたいと思います。

 スカッとする話を書いている人や、好きな人にとっては、ピンポイントな内容かもしれませんね。
 では、早速いってみましょう!

話の形式

 キャラクターの設定も大事ですが、まずはどういった形式の話にするか考える必要があります。
 簡単に分けると、
 ・メインキャラクターを中心に話が展開していく形式
 ・メインキャラクターは変わらないが、一話完結のオムニバス形式
 ・話ごとにキャラクターが一新される読み切り形式
 となります。

 それぞれにメリットがあるので、順番に見ていきたいと思います。

メインキャラクターを中心に話が展開していく形式

 これは通常の小説と全く同じイメージになります。
 話の展開を通じて、メインキャラクターの変化や成長を楽しむ形式です。
 そのオチが「スカッとする」わけですので、メインキャラクターのポテンシャルは高くないといけませんね

 某連載誌で有名な“努力・友情・勝利”はいらないわけです。
 必要なのは“天才・無双・勝利”なのです。

 最近はそういった作品が多い気がしますが、いかがでしょうか?
 ぶちゃけ無双物は短編なら面白いのですが、長編になると飽きます。
 なので、スカッとする話の形式としては不向きだと思います。
 主人公サイドが痛い目に合って「スカッとする」パターンが組み込まれるなら、それはメインキャラクターを中心に話が展開していくこの形式でも、良いのではないでしょうか?
 ヤッターマンのアニメに登場する“ドロンボー一味”や、ポケットモンスターのアニメに登場する“ロケット団”のように、決まったやられ役がいるのも良いですね。

メインキャラクターは変わらないが、一話完結のオムニバス形式

 推理物(探偵物)や、日常物(空気系)をイメージしてくれたらいいと思います。

 名探偵コナンも基本はこの形式で、偶にストーリーが進みます。
 もっとわかりやすいのは、ドラえもんですね!
 「助けてドラえもん!」→「○○○○~!」
 シンプルですが、スカッとする話としてとてもよくできています。
 少しジャンルは異なりますが、ブラックジャックもですね。

 そう考えると、あの時代の作家さんたちはオムニバス形式のストーリーがとても優れていますね!

 オムニバス形式の良さは、何といってもテンポの良さだと思います。
 また一話完結ですので、関係を積み重ねていく必要がないんですね。
 少し視点を変えると、どこかで一話飛ばしてしまっても、問題なく楽しめます。

 必殺仕事人もそうですよね。

 デメリットはインパクトが弱いことです。
 キャラクターを奇抜にしたり、他に類を見ないストーリーにすることで、ある程度までは面白くなります。
 ですが、奇抜が面白いのは最初だけです
 すぐにマンネリ化しますし、奇抜であるが故に扱いが難しくなったりします。
 他に類を見ないストーリーは、売り出す際の謳い文句は書きやすいです。

 新感覚に惹かれて、口コミで評判になることでしょう。
 ここで問題になるのが、駆け抜けて終われるかどうかです。
 人気が出ると、つい引き伸ばしたくなるのが人の性(さが)というもの。
 しかし、速度を緩めることは作品への冒涜です。
 他に類を見るストーリーにしてはいけません。

 終わり方が非常に難しい形式となっています。

話ごとにキャラクターが一新される読み切り形式

テレビのワンコーナーや動画などで、最近増えている形式ではないでしょうか?

これは「どういったジャンルの話か」だけを決めて、そのジャンルにそった話を乱発する形式です。
話ごとにキャラクターが一新されるので、少しの違いでも別の話になるメリットがあります。
読み切りを乱発するような感じですので、ネタが尽きないかぎりは永遠に書くことができますね。

ということは、ネタが尽きたときが終わりとなります。
他の二つの形式であれば、ネタが尽きそうになってもなんとかなります。
キャラクターが勝手に動いてくれる場合もありますし、全く別のものからヒントを得てネタにすることもできます。

だったら、この形式でもいけるのでは?と思いますか
実は落とし穴があるんですね。
主人公サイドのキャラクターも一新されるので、毎回関係をつくらなければなりません
いずれ同じようにものができあがってしまいます。
掘り下げることができないキャラクターはそういうものなのです。

終わりに

 どういったジャンルの話を考えるにせよ、
 まずはオムニバス形式で書けるようになるのが、個人的には良いと思います。

 例として挙げていますが、『ドラえもん』や『ブラックジャック』はかなり優れています。

 『笑ゥせぇるすまん』もオススメですよ!

 藤子不二雄Ⓐ先生、ご冥福をお祈り申し上げます


ブラック・ジャック 手塚治虫文庫全集(1)

ドラえもん(1) 藤子・F・不二雄大全集 (てんとう虫コミックススペシャル)

笑ゥせぇるすまん(1) (藤子不二雄(A)デジタルセレクション)

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